The pamphlet of MIBEL '94 open house

94年度 研究室公開パンフレット


目次

はじめに
音声認識・方言識別
比喩の理解
心と脳波
誘発電位とは?
超音波診断
折り紙シミュレーション
花火CAD
合成音による画像の表現

はじめに

当研究室は、板橋秀一 教授・椎名 毅 助教授を中心に、主に情報学類出身の 学生・院生で構成される研究室です。私たちが行ってきた研究は以下の4分野 です。
音声処理(音声認識、データベース構築、方言・言語識別、対話音声分析)
自然言語処理(意味ネットワーク)
画像処理(画像から音への変換、花火CAD、コンピュータによる折り紙)
生体情報・医用超音波(脳波、超音波診断)

「画を聴く・音で見る」

「画を聴く」は「画像を音で聴いて見てみよう」
「音で見る」は「音(超音波)で画像を見てみよう」を意味しています。
他にもおもしろいデモをいくつか用意してあります。
ゆっくりご覧になってください。
なお、当研究室の研究に興味のある方、
質問等ある方は、いつでもお越しください。

音声認識・方言識別

 このデモでは音声認識と方言識別を行います。音声認識では、誰の声でも話 した内容を理解します。ここでは全ての動作を声だけでコントロールできるよ うにしてみました。方言識別では話すときにどのようにアクセントをつけるか を識別して、どの地方の方言であるかを答えます。

比喩の理解

 自然言語には比喩表現が遍在する。したがって、計算機上にそれを表現する ことが重要となる。そしてその手法は、直感的に妥当であり、数学的に健全で あり、なおかつ計算量が適当でなくてはならない。Bayesian Networkは前2者 を満足する。本研究ではBayesian Networkを用いて、比喩表現の計算機上への 実現を図る。

心と脳波

 みなさんは脳波と聞いて何をイメージしますか?α波とかは聞いたことがあ るかもしれません。これが出るとよく勉強できるというやつですね。最近は気 功とかでも有名ですね。  ところでこの脳波は心の働きとも密接な関係があるのです。今あなたがなに かを思ったとき脳波も変わっているかもしれませんよ。僕たちの研究室でそん な脳波をちょっと勉強してみましょう。

誘発電位とは?

 脳波と同じように頭皮に電極をつけて得られる。被験者に音や光などの刺激 を与えることで直後に出てくる電位のことを言う。これから得られる波形は、 正常者と脳障害者とは異なって現れるので、医師の診断に利用されている。

超音波診断

 みなさんは週末に隣人の騒ぐ声で眠れなかったことはありませんか?たとえ 壁がさえぎって姿が見えなくても音は伝わります。超音波診断は人には聞こえ ない「音」で目には見えない体の中を覗きます。「音」ですから、X線などと 違い、人体にも安全です。胎児の状態を診断している様子をテレビなどで見た ことがあるでしょう。  さあ、あなたも「音」で体の中を「見て」見ましょう。

折り紙シミュレーション

 このデモではパーソナルコンピュータ上で、日本の伝統芸術として広く世界 に知られた折り紙のシミュレーションを行います。  2次元的に扱うことによって、いくつかの制限はありますが10種類程度の 折り方を実現しています。

花火CAD

 打ち上げ花火のデザインをコンピュータで行うことで、試し打ちなどの費用 や危険性を抑え、火薬取り扱いの資格のない人でも、デザインをすることがで きます。  本格的な花火CADとはまだまだいえませんが、花火の色、輝度、大きさなど をマウスで選択して、コンピュータ上の夜空に 打ち上げる ことができます。  自分だけの花火を楽しんでみてください。

合成音による画像の表現

 聴覚情報で視覚情報を表現することは、視覚代行、新しいヒューマンインタ フェースとして意義があります。  カメラ画像の認識を行い、その結果を言葉で出力すれば、見なくても対象物 が何か分かるはずです。しかし実際は簡単ではありません。画像認識処理が難 しい為です。  そこで、認識を行わずに画像の特徴を音へ変換するようなシステムを考案し ました。具体的には、画像のRGBをそれぞれ「あ、い、う」に、明るさを振幅 に、図形のxy投影値を基本周波数に対応させています。
研究室行事